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価値観を広げ、自分が納得できる人生を
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株式会社プラスカラー 佐久間映里
佐久間映里(さくま  えり)
株式会社プラスカラー 代表取締役

1983年、愛知県名古屋市生まれ。高校・大学とソフトテニスに明け暮れ、インターハイにも出場、個人では全国9位の成績を残す。大学卒業後、リクルート求人広告会社に営業職として入社。新人MVPや通年MVPを受賞するなど数多くの実績をあげる。2009年、株式会社サイバードへ転職。法人営業や人事、広報など幅広い分野で活躍する。“世の中にキラキラと輝きながら働く女性を増やしたい”という想いから30歳を目の前に独立。2013年3月、株式会社プラスカラーを設立、現在に至る。

働く女性の幸せを生み出す組織でありたい

―プラスカラーの事業内容について、教えてください。

  女性のキャリア支援を軸として、人材の採用、育成、それを通じた広報のコンサルティングをお手伝いさせていただいています。メインとなっているのは、ロールモデル女性の育成事業です。私がこれまで経験してきた営業、人事、広報のスキルを、実際に企業にうかがってOJTスタイルで研修を行っています。スキル面だけでなく、マインド面も含めてアドバイスさせていただいています。

  採用の分野に関しては、2015年1月に新たにスタートするサービスですが、大きく変わりうる新卒採用市場の中で、なぜか選考を受けていないのに通過してしまっているという“サプライズ採用”をテーマに事業を展開予定です。まだ詳しくはお話できないのですが(笑)。2016年からの新卒採用は、採用活動が4ヶ月ほど後倒しになります。期間が短くなる中で、企業側は自社で採用したいという学生と出会い、納得した採用ができるか。学生側は本当にここでなら頑張り続けられると思うような企業から内定がもらえるか、という不安があると聞きます。そのため、私たちは女子学生達が後悔しない会社選びの機会を提供し、企業にとってもこの人が欲しいという人に直接アプローチができるような場を創っていきたいと考えています。

―研修などは、佐久間さんがおひとりで担当されているんですか?

  はい。現時点で育成事業に関しては、私がすべて担当していますね。ただ、今後、新規事業を展開していくにあたって、仕組み化していく必要があると感じています。会社の立ち上げは、すべて自己資金で行っているので、まずは会社としての基盤を築くために自分ができることの延長線上で育成事業を始めたんですが、いよいよ次のフェーズに進めるところまできたという感じですね。

  まだまだ私個人が動く機会も多いのですが、組織として「働く女性の幸せをつくる事業」を展開していかなければいけないと思いますし、会社として、信頼をもっと獲得していかなければと。働く女性に関する悩みは、プラスカラーに相談すれば解決すると思っていただける組織になっていきたいですね。

学生時代はテニス一色、バイトは効率がポイント

株式会社プラスカラー佐久間社長

―ちょっと遡っていただいて、学生時代についてうかがいたいのですが、ソフトテニスでインターハイに出場された経験もあるそうですね。ソフトテニスは何をきっかけに始めたんでしょうか?

  もともとは水泳をやっていたんですよ。でも、水泳では思うように結果が出せませんでした。ソフトテニスを始めたのは、中学2年生のときなんですけど、たまたま水泳部の顧問の先生がソフトテニス部も兼任していまして。ダブルスの大会に出るメンバーがひとり足りないからということで、私は補欠としてテニス部に入ったんです。いざ試合に出てみたら、いきなり名古屋市で3位になっちゃって(笑)。そこから、本格的に始めました。

  その後、高校も大学もテニス特待生として進学しているんですが、あのとき、テニス部員が足りていたら、私は間違いなくソフトテニスをやっていませんから、本当に不思議な巡り合わせだなと感じますね。

―ソフトテニスを通じて得たことで、今、仕事にも役立っていることはありますか?

  “切り替え力”だと思います。ソフトテニスって、サッカーのように、決められた時間の中で得点を取るというものではなくて、4ポイントを取らないとセットが終わらないんですね。だから、1本1本の切り替えがすごく重要なんです。取られた1点を振り返っている時間はなくて、次の1点を取るにはどうしたらいいのかをつねに考えなくてはならないので。気持ちの切り替えはうまくできるようになったと思います。

―学生時代は、テニス一色だったと思いますが、アルバイトをされたことはありますか?

  高校3年生のとき、部活を引退したあとにパン屋さんでバイトしていました。部活をやっていたときは寮生活だったんですけど、引退して寮を出てからは名古屋の実家から高校がある豊橋まで1時間以上かけて通っていたんですね。引退後も朝練の時間に起きるというリズムが抜けなくて。だったら、この時間に起きてできることをしようと。それで見つけたのが、駅構内のパン屋さんだったんです。

  大学生のときも、部活が終わったあとに働けるところを探して、居酒屋でバイトしていました。深夜でシフトに入れば、時給も高いじゃないですか。(大学のあった)愛媛県松山市は、居酒屋くらいしか選択肢がなかったというのもあるんですけど(笑)。

―高校生のときから、効率化について考えていたなんて…すごいですね。

  当時、そんなふうに意識していたかどうかは、あまり覚えていないですけどね(笑)。でも、料理の提供やレジ打ちのタイミングもよく考えながらやっていた気がします。どうやったら、お客様を待たせずにさばけるか、隣のレジの人よりも早くできるか。競争意識みたいなものも強かったのかもしれません。

  社会人になってから、ずっと意識してきたことなんですけど、私は、人が3年かけてやることを、1年でやりたいんです。結局、限られた時間の中で、人とどこで差をつけるかって言ったら、時間の使い方でしかないと思うんですよね。名古屋出身だから単にせっかちという説もありますが(笑)。

見えない未来にこそ、ワクワクが待っている

株式会社プラスカラー|代表取締役佐久間映里

―大学卒業後、リクルート求人広告会社に入社されたとのことですが、入社の決め手はどんなところにあったのでしょう?

  ソフトテニスにはプロがなくて、実業団で続けるというのもピンとこなかったので、就職をしようと思っていました。そこで自分のそれまでの人生を振り返ったときに、スポーツをやってきた私としては、結果がはっきりと見えるような仕事がいいなと思ったんですね。それがわかりやすい、つまりは優劣のつく職業=営業かな? と思いまして。営業職をベースに不動産、IT、保険など、いろいろ受けました。その中で、人と密に関わっていく必要がある求人広告の仕事は、人を採用するという会社にとって重要な決定事項のサポートをよりお客さんの近いところでサポートでき、一緒に喜びの共有体験ができるかもしれないという点と、そういったワクワク感のある仕事であれば間違いなく結果を残せるだろうという自信があって(笑)。それで決めました。

―その自信がまさに形になって、MVPなどを多数受賞されていますが、営業のスキルは、どうやって身につけていったんですか?

  スキルというのは、本当になくて。ただ、お客様の「当たり前」に合わせられるように、まずは、「人の当たり前ってなんだろう?」って、探るところから始めました。「当たり前」の基準がスピードの人もいれば、丁寧さの人もいる。量の人、質の人…と、いろんなパターンがあると思うんですけど、その要望に対して、ひたすら応えていったことが、結果につながったんじゃないかと思っています。「これをやれば結果が出る」という方式があったわけじゃなくて、あくまでも一人ひとりのお客様に対して、どういうことをすれば確度が高くなるかを探っていった感じですね。

―営業としての経験を積まれたあと、サイバードへ転職されました。これにはどういった経緯が?

  サイバードが新しいサービスを立ち上げるというタイミングで、知り合いの方経由でお声掛けいただいたんです。当時は(サイバードのメイン事業である)モバイルサービスのことなんて、まったくわからない状態でした。でも、求人広告営業の実績をとても高く評価してくださっていましたし、モバイルの可能性について熱心にお話してくださるのを聞いているうちに、おもしろそうだなと感じたんです。

―その後、人事、広報と新しいチャレンジが続きますね。

  求人広告の営業をやっていたときも、リクルーターとして人の採用には関わっていたので、人事としての実務にも興味はあったんです。それに加えて、営業として現場で働く中で、変えるべきところというのも見えてきて、変える側の仕事をやってみたいという想いもありました。そういった経緯から、社内の異動希望制度を利用して、人事にチャレンジする機会を得たんです。広報については、会社としてこれから広報活動に力を入れたいというタイミングで、「挑戦してみないか」と声を掛けていただいて。人事に移ってから1年しか経っていなかったんですけど、これもおもしろそうだなと思って、異動を決めました。

―転職も異動も「おもしろそう」という想いから、積極的にチャレンジされていますよね。不安を感じたことはないですか?

  不安はないです。やったことがないことって、わからないじゃないですか。だから不安になりようがないというか。考えてもしょうがないかっていう(笑)。

  私のなかでは「安定」って、ワクワクしないんです。見えちゃう未来は、おもしろくないんですよね。見えないものを見えるようにするために、どう戦うか。そのプロセスにモチベートされるので。何か天秤にかけることがあったら、答えの計算ができないほうを選ぶようにしています。周りからは「無鉄砲」って言われちゃいますけど(笑)。

自分らしくいられるスタイルが起業という選択に

株式会社プラスカラー佐久間映里-ロクロポーズ

―会社員を経て、いよいよ起業をされますが、どのタイミングで起業を決意したんですか?

  2013年の3月に会社を立ち上げているんですが、2012年の11月…会社設立の4ヶ月前に、ふと「私はこのままこの会社で働いていくのかな?」って思ったんですよ。仮に働き続けるとして、今後、子どもが産まれたとしたら、預けなきゃいけない。子育てをしながら働いている周りの人を見ると、時短勤務だったり、延長保育にお金をかけたりしながらやっているよなって。いろいろ想像していく中で、見えてきてしまった未来にこのまま向かっていくよりも、まだ子どもがいないこのタイミングで、違う未来をつくってもいいのかもって思ったのが原点なんですよね。

  まだ何をやるのか何も決まっていませんでしたけど、12月の頭に「辞めます」ということだけ上司に伝えました。そこから1ヶ月間、自分には何ができるのか、何を求められているのか、何をやっているときが楽しいのかということを、ひたすら書き出していったんです。それで、自分のモチベーションが上がるようなことをやりたいというところに行きついたんですね。「モチベーションが上がることってなんだろう?」と考えると、誰かにありがとうと言われたり、佐久間さんみたいになりたいですって言ってもらったりすることだなって。それならば、自分が経験してきた営業・人事・広報のスキルを教えることが、人に喜んでもらえるというのに一番近いんじゃないかと思って、今の事業にたどり着きました。

―ご結婚もされていて、仕事もこなされている佐久間さんご自身が、まさに女性のロールモデルであるように思うんですが、結婚と仕事の両立で大変なことはありますか?

  ないです! 何もないですよ。なんて言ったら、主人に「もっと掃除しろよ」とか言われちゃうかもしれないですけど(笑)。でも、私はないです。私自身が自分らしく働けていて、毎日楽しく生きているので、主人に不満を言うこともないんですよ。自分が満ち足りていなかったり、余裕がなかったりすると、不満が生まれてしまうと思いますけど、そういうことがないので。いいバランスが取れていると思います。

固定観念を捨て、価値観を広げる行動をしよう!

株式会社プラスカラー社長|佐久間映里|座り

―その関係性はすばらしいですね! ただ、両立がうまくできないと悩む女性も多いでしょうし、身近にロールモデルがいないという話も耳にします。佐久間さんから見て、そういった悩みを持つ働く女性には、どんな特徴があると思いますか?

  おそらく、理想が高すぎるんだと思うんですよ。かつ、その理想をひとりの人物に対して求めすぎなのかなと思っていて。ロールモデルがいないって、みなさんよくおっしゃるんですけど、たしかにみなさんがイメージするようなロールモデルはいないかもしれません。でも、たとえば容姿・体型・服装などの参考はこの雑誌に出ているこのモデルさん、働き方はよくTVとか掲載誌とかに取り上げられている女性社長、子育ての方法は子どもをすでに産んで育てている同級生、休日の過ごし方はブログでいつも参考にしているリア充女性…、とかって分散させて考えると、じつは自分の理想にハマっている人は身近に結構いると思うんですよね。完璧な人を探して、そういう人が見つからないから、ロールモデルがいないという結論になってしまっている気がしますが、全部を持っている人なんていないです(笑)。だから、ある部分を切り取ってみて、理想の人を何人も見つけていけるといいんじゃないかなと思っています。

―最後に、これは女性に限らずなんですが、働くことに悩みを持っている人やこれから社会に出るという人にメッセージをお願いします。

  いろんな人に出会って、自分の答えを見つけるための情報集めを積極的にしたうえで、自分がどうなりたいのかという答えを出していけるといいんじゃないかなと思います。今は、情報があふれているので、見たものをそのまま正しいと思い込んでしまうようなこともあると思うんですよね。でも、自分で動いて、見て、聞いた情報っていうのは、そのまま自分の価値観になっていくと思うんです。情報が簡単に得られてしまう今という時代だからこそ、リアルで人に会って、表面だけじゃなく、裏側にあるようなものまでを見られるような、そんな活動をしてほしいなって思います。

  情報のせいにしないということが、大切なのかなって。自分でしっかりと確かめて得た情報に基づいて動けば、後悔もしないと思うんです。反省をすることはあっても。自分で決めたことに責任を持てるような、そういった行動を積み重ねていってもらえたらと思います。

[取材] 高橋秀明、渡辺千恵 [執筆/撮影(インタビュー写真)] 渡辺千恵

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