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学生のうちからビジネスに触れよう!
―仕事の意味を理解することが、楽しく働くための一歩―

株式会社Speee 大塚英樹
大塚英樹(おおつか  ひでき)
株式会社Speee 代表取締役

1985年、埼玉県生まれ。メディア関連事業の会社を創業し、2011年に譲渡。同年、25歳で株式会社Speee代表取締役に就任する。2015年に『AERA』の「日本を突破する100人」に選出され、2017年からREAPRA Venturesの外部アドバイザーを務める。Speeeは「デロイト トウシュ トーマツ 日本テクノロジー Fast50」にて、7年連続で成長企業の上位にランクイン。Great Place to Work® Institute Japanが実施する「働きがいのある会社」ランキングで上位を連続で受賞している。

※本文内の対象者の役職はすべて取材当初のものとなります。

2018.10.17 update/プロフィールを一部修正しました。

領域を広げながら、新たなチャレンジをし続ける

Speee大塚英樹代表取締役

―まずは、Speeeの事業内容について教えてください。

  当社はもともとモバイルのSEO(検索エンジン最適化)事業からスタートしました。現在は、SEOに加えてアドテク事業やいくつかのメディアを運営していますが、そのなかでも今、一番伸びているのが不動産メディア「イエウール」。家を売りたい人と買いたい会社をマッチングさせるサービスです。そのほか、東南アジア向けのライフスタイルサービスや、スマートフォンアプリも含めた様々なメディアを展開しています。

  インターネット産業を通じて世の中にもっと価値を提供するためには、BtoBのソリューションだけではなく、コンシューマ向けのソリューションも提供していかなければならないと感じ、BtoB、BtoCの両軸でサービスを拡大しているところです。

  次の取り組みとしては、医療領域での可能性も探っています。実際にクリニックさんに現場で使っていただくSaaSサービスを提案したりすることも行っていて、オフラインからオンライン側に展開していくサービスにも少しずつチャレンジしています。

学生時代にこだわったのは、ビジネス経験を積むこと

Speee大塚さんの学生時代について

―大塚さんご自身についてお聞きしていきます。学生時代にはどんなことに注力されていましたか?

  私の人生は、サッカーのフェーズとビジネスのフェーズに分かれています。サッカーは高校1年生までずっと続けていて、県選抜にも選ばれていました。でも、中学生くらいの時から、「うまくなっていない」と感じ始めたんです。

  ひとつのスポーツをずっとやり続けていると、「去年のほうがうまくできていたんじゃないか」と思うことがあります。スポーツに限らず、仕事でもありますよね。こういう感覚を私なりに解釈すると、“周りの伸び率”に対して“自分の伸び率”が足りていないということだと思うんです。絶対値として自分が下手になっているわけではないのに、周りの伸び率が高いために、相対的に見ると下手になっているように感じる。自分では納得できるプレーができないんですが、周りはうまいと言ってくれるので、辞め時がなかなかないんですよね(笑)。
  そういったすごく中途半端な状態だったので、高校は100人くらいが一気に入部するようなサッカーの名門校に進みました。そこで1年間、遅刻も欠席も一切せずにやり抜き、スパッと辞めたんです。サッカーはこれだけ上手い人達が多くいるので、自分の場所ではないなと確信しました。

  私は家庭環境として、父が経営者ということもあり、経営者になるように育てられていたようなところがあります。だから、サッカーをやりながらも、ずっと頭の片隅にはビジネスを意識していて。さらに、ビジネス書でも何でも、本なら何冊買ってもいいと父に言われており、10歳頃からクレジットカードを渡されていたんです。そのころから、本をよく買っては読んでいましたね。当時はカードの使い方もよくわからなかったので、マジックテープの財布に入れていましたけど(笑)。そしてサッカーを辞めてからは、どんどんビジネスのほうに興味がシフトしていきました。

―大学生の時から、インターネットマーケティングの会社で働いていたそうですが、どんなきっかけで働き始めたんですか?

  その企業で働く前に、19、20歳くらいの時から大手人材企業で契約社員として働いていました。子どものころからビジネスの勉強をしていると、ビジネスに関する数字が少しずつ頭に入ってくるので、自分なりのモノサシができるんですよね。私が本で知った経営者の方たちと自分の父親は同じ経営者ではあるけれど、そのすごさの濃淡が理解できるようになるというか。

  そうなると、より大きな企業の経営者に興味が湧くんです。その人と自分を比べては、何もできない自分にストレスを感じて……。「とにかく早く働きたい!」と思いました。ビジネスを経験できるのであれば、きちんとスーツを着て、名刺を持ってという仕事がしたかったので、営業の仕事に就いて、毎日何十件、何百件と飛び込み営業をしていましたね。

―その後、インターネットマーケティング会社で働くことに?

  そうですね。1年間、営業を経験させていただきながら、若くても起業ができるのは人材業界と不動産業界、それとIT業界だと考えるようになりました。ちょうどITで成功をしている方々が出てきているタイミングだったので、若いからこそのバリューが出せるのはIT業界だと思ったんです。そうした理由で、インターネットマーケティングの会社で働くことにしました。

  実は別の会社からも内定をいただいていたのですが、会社づくりを学びたいという想いから、設立間もないインターネットマーケティング系の企業で働き始めたんです。そこには入る時には「起業する前に、しっかりと痛い目を見ておきたい。1年後には辞めますが、間違いなくお役に立てると思うので、是非働かせてください!」と、伝えました。そうしたら「全く同じような話をして入ってきた人がいるよ」と言われて。……それが、のちに一緒にSpeeeを立ち上げることになる久田(久田哲史[ひさた てつし]氏/前・株式会社Speee代表取締役、現・同社取締役)だったんです(笑)。

  久田は当時、私と同様に大学生でありながら、社内トップの営業成績。入社後は、私がそれを更新していきました。仕事での接点はそこまでありませんでしたが、起業を目指している者同士、何となく意識はしていたような気がします。

“モバイルSEO”の成長に賭け、ついに起業

Speee社内にて

―Speeeを起業するまでの経緯について教えていただけますか?

  当時“モバイルのSEO”は、まだまだ世の中での認知度は低かったですが、それをキーワードにした書籍なども出始めていました。ですので、今でこそ我々は、モバイルのSEOで業界No.1の会社だったと認知していただいておりますが、その産業に一番初めに足を踏み入れた、というわけではありません。

  「どうせ起業するのであれば、次に来る大きな波に一番乗りしたい」という考えも大事ですが、「起き始めた波の前方に乗るのが望ましい」という考えを起業時は選択をした会社です。この違いは、実は似て非なるものであり非常に重要なのです。
  この考えの選択が、我々の立ち上げが成功した要因だったと思います。

―創業時にはどんなことに苦労されましたか?

  メンバー集めには苦労しましたね。これは、初めから起業を目指した弊害でもあると思っていて。大学に入ってすぐに働きだしてしまったので学校にもあまり行っていませんでしたし、アルバイトも家庭教師くらいしかしていなかったので、友達が少なかったんです(笑)。

  起業する時って、知り合いとか前職で一緒だった人とか、一定の信頼関係を築けている人を中心に仲間を集めるという流れが比較的多いと思うんですけれど、そういった仲間づくりをせずに、起業に焦点を当ててしまっていて……。紹介の紹介の紹介、というようにたどっていって、ようやくメンバーを集めたという感じでした。

―Speeeを立ち上げた後、一度、独立をされています。これにはどういった経緯が?

  Speeeを立ち上げた時から、モバイルSEOの事業が一段落着いて次の事業展開のめどがついたら起業をする、ということを久田と話して決めていたんです。

  ただ、会社を大きくしていくには、自分たちが努力するだけではダメで、外部環境にどれだけフィットさせるかという点も大事なんですよね。スマートフォンが世間に浸透するペースも、思っていた以上に速かった。ですからこのまま別々に経営をしているよりは、スマートフォンなどの外部環境を活かして一緒にやっていくほうがいいだろう、と考えたんです。このことは久田とも意見が一致し、一緒にSpeeeを成長させていくため、僕はSpeeeに戻ることになりました。

止まることのない、ビジネスに対するあくなき探究心

大塚英樹さん語る

―大塚さんは幼いころから経営者を目指していたわけですが、実際に起業をする時、世の中に対してどんなことを提供したいとお考えでしたか?

  会社は“付加価値を提供するための装置”みたいなものだと思っています。付加価値を提供して初めて世の中に存在し、貢献できると。その仕組みがすごく魅力的だと感じているので、事業として何をやるかという部分にはあまりこだわりがありませんでした。それよりも、付加価値の高い事業をサステイナブルに(継続的に)つくっていくことに興味がありました。資本主義のなかで、継続性というのはすごく大事ですから。

  なので、継続的に付加価値を提供できるサイクルを生むにはどういう企業経営が大事なのか、そういったことをずっと考えていましたね。図書館にこもって本を読みながら(笑)。

―お話を聞いていると、相当数の本を読まれていますよね。これまで読んだなかで、一番影響を受けた本というのは?

  これは本当に難しいですね。一番好きな食べ物が変わるように、本も変わると思うので(笑)。でも、このメディアをご覧になって頂いている方に向けて好きな本を挙げるとしたら、『志高く』(実業之日本社刊)という孫正義さんの評伝ですね。ほかの経営者の方々の本と比べて、スピード感が圧倒的で、自分がイメージしていた経営者の成長ペースを遥かに超えるものだったので、衝撃を受けました。読んだのは18歳くらいのころだったと思うのですが、読んだあと本当に朝まで眠れませんでしたから(笑)。

  新卒で入ってくる社員にも薦めているんです。就職活動では、大手かベンチャーかで迷う人も少なくないと思うのですが、『志高く』を読んで、「こんなことがあり得るんだ」と、少しでも心が動いたらベンチャーに行っても後悔はしないんじゃないかと思いますね。自分の感覚を見極めるためにもこういった本を1冊読んでおくのもいいのではないかと思います。

世の中にイノベーションを生み出す企業でありたい

株式会社Speee Recruiting Movie

―大塚さんは仕事をする際、どんなことを大切にされていますか?

  実行にこだわる、ということですね。世の中を本気で変えようと思って行動したとしても、想定と違ってしまい、結果的に世の中を変えられなかったということは当然あると思います。ただし、科学者や芸術家は、そう信じて実行していたことが、100年後、150年後に評価されることがある。

  でも、ビジネスはなかなかそうはいかないですよね。もちろん、30年後の人にも評価される事業を生み出していきたいですが、まずは3年後、5年後、長くても10年後の人に評価されるために、世の中を変えるような事業を実現していくことにこだわっています。

―どんどん新たな事業を提供していくなかで、一緒に働くメンバーには何を求めますか?

  変化が大きいし、毎日がずっと楽しいわけではありません。ある意味、普通に考えたら無理なくらいの高い壁を突破しようと思っているわけですからね。だから、きちんと考えられる人と働きたいですね。自分で考えるクセを持っている人がいいと思いますし、そういう人は変化への対応もできると思っています。(SPeee新卒採用サイト

―今後のSpeeeのビジョンについても教えてください。

  我々の会社から、世の中に付加価値を生む事業をいくつも発射させていきたいと考えています。Speeeは様々な事業を通して世の中を変えていくプラットフォームだと思っているんです。ひとつの会社のなかでもイノベーションの創造はできるかもしれないですが、Speeeという会社自体が大きくなっていかないと、世の中のイノベーションの発生頻度を上げていくような貢献はできません。

  イノベーションのために、ほかの企業や大学といった外部とも連携して貢献していけるような存在になりたいので、ここからSpeeeを「メガベンチャー」というステージに変えたいと思っています。

―最後に、大学生や就活生にメッセージをお願いします。

  できるだけ早く働いたほうがいいと思います。それはどんな形でもいい。アルバイトもすごく役立ちますよね。どうせ働くのであれば、「なぜ、この仕事をやっているのか」ということを考えることが大事だと思うんです。

  どんな仕事であっても、楽しいと感じるものは、自分が能動的にできているはず。能動的にやるためには、ただ仕事をこなすだけではなくて、この仕事にはどんな意味があるのかということを理解できるといいですよね。所属している働き先の勉強をすることはすごく大事です。会社自体のことでもいいし、業界のことでもいい。私も、そうやって勉強をくり返してきて今があるので。是非、本もたくさん読んでほしいですね。

[取材]渡辺千恵 [撮影(インタビュー写真)]真田明日美

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