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やるときは何事も好奇心を持って全力で!
―本気で取り組めば、どんなことでものちの人生に必ず活きる―

株式会社ジオベック 望月雅彦
望月雅彦(もちづき  まさひこ)
株式会社ジオベック 代表取締役 CEO

1974年生まれ。建設系専門学校に進学し測量士の資格を取得。その後、近畿大学に進学し、卒業後の1999年6月、株式会社ジオベックを設立。代表取締役CEOに就任。同社は業界特化型クラウドサービス「SOSIA」シリーズの開発・販売をしており、なかでも主力である、美容業界向けサービス「SOSIA POS SALON」は、ヘアサロン、エステサロン、ネイルサロン、リラクゼーションサロンに1500システム以上の導入実績を誇る。2015年5月には関西学院大学にて「事業継承」講座の臨時講師として登壇予定。

お客様の目線であらゆる問題を解決していくサービス

―まずは、ジオベックの事業内容について教えていただけますか?

  当社は、主に業界に特化したITソリューションを提供している会社です。例えば、美容業界でいうと、経営には集客や予約管理、売上分析、顧客情報管理など、様々な要素が必要ですよね。我々の製品には、予約管理システムやCRM(顧客関係性の構築・管理)、POS(商品販売時点での情報管理)などがすべて含まれているんです。なので、“ワンストップITソリューション”として、お客様をサポートすることができます。

  現在は、美容業界を中心に展開していますが、美容業界に限定しているわけではありません。もともとは、建設業界、住宅家電業界、飲食業界、美容業界等と、様々な業界向けの提案をしていました。その中でも、美容業界はヘアサロン、エステサロン、ネイルサロン、リラクゼーションサロンといった異なる要素を持つものが集合しているおもしろい業界なんですよね。我々の考え方が一番活かせる業界だと感じたので、まずはこの業界に特化したサービスの提供を始め、販売を拡大してまいりました。今後は、アパレル業界や飲食業界にもチャレンジをしていって、さらなる事業拡大を目指していきます。

変わりゆく建設業界で自ら選択した新たな可能性

望月雅彦さん語る

―望月さんは、大学卒業後、すぐに起業をされたんですよね? それにはどんな経緯が?

  僕は、やりたい事業があったから会社をつくったわけじゃなくて、会社をつくる必要があったんです。僕の実家は、祖父の代から続く建設系の会社を経営していたんですね。僕が大学を卒業する直前にはITブームがきて、国としても2000年に「eジャパン構想」(全ての国民が情報通信技術を活用できる日本型IT社会を実現するための構想)を掲げたという時期でした。

  その流れで、建設業界も「CALS/EC(公共事業支援統合情報システム)」といって、これまで紙で交換されていた情報を電子化して、電子納品、電子入札が標準になると。建設業界って、現場仕事に見えながら、CAD(設計用システム)を使うので、じつはパソコンには慣れているんですよ。ただ、当時出てきた地理情報などをコンピュータ上で作成・検索するGIS(地理情報システム)というシステムがあるんですけど、それを使いこなせる人はいなかった。僕は測量士の資格を取るために専門学校にも通っていましたから、その経験を活かして、父の会社とは別に、GISの開発や運用を行う会社として立ち上げたんです。

  でも、それだけではなかなか食べていけないんですよね。建設業界というのは官公庁の影響がかなり強いので、新参者としてやっていくには限界を感じて、起業から3年目くらいに、事業を民間向けに移そうと。そこからですよ。「どんな事業をしよう?」って考え始めたのは。僕は大学時代に自分で飲食業をしていたので、マーケティングとか、プロモーションという分野を追求してみたいなと思ったんです。

―その飲食業というのは、飲食店でアルバイトをしていたということでしょうか?

  アルバイトもしていたんですけど、僕は学生のとき、週末になるとクラブに行ったり、テニスをしたり、サーフィンをしたり……毎週同じようなことをしていたんです。それで、仲間たちと「こんなにしょっちゅうクラブに行くんやったら、自分たちで店をつくって、みんなに集まってもらったほうがええんちゃう?」って(笑)。当時、レゲエ音楽が流行っていたんで、レゲエクラブを仲間2人と一緒につくったんです。そこでイベントを開催したりしていました。その傍ら、冬になると、僕はスノーボードをやっていたので、スノーボードのチームをつくって、オリジナルブランドを考えて、ステッカーやキャップを手づくりしていたんです。それをゲレンデで売っていました(笑)。

  お店の集客とか、ものを売ることって、マーケティングやプロモーションが必要じゃないですか。学生当時は、趣味の延長という感じでしたけど、この分野なら経験が浅くても、自分自身が興味を持てることなので、もっと深堀りできるなって思ったんですよね。そこからマーケティング分野を中心に独学で勉強するようになったんです。それで、自分がやりたいことを突き詰めていくと、どうやらそれはCRMということらしいと。

―ご自身で学びながら、方向性を探っていったんですね。

  そうなんです。本当に探り探り。CRMって、お客さんの行動管理をする仕組みではあるんですけど、行動を管理する前に、行動をしてくれるお客さんが必要なので、結局は集客の提案から始まるんですよね。すでに集客できている企業が、お客さんに関する分析をしてほしいというピンポイントなニーズはほとんどなくて……。

  まずは、「どうやってお客さんを集めたらいいの?」から始まって、集まったら「どういうふうに分析したらいいの?」って。そのあとに「分析して出た結果はどう使ったらいいの?」という段階があるので、僕らはプロモーションからCRMの構築までを行って、さらに運用のサポートをするという一気通貫でやり始めました。

アルバイトで客商売を学んだことが、今につながっている

アルバイトについて語る望月社長

―先ほど、アルバイトもしていたとおっしゃっていましたが、どんなアルバイトを?

  アルバイトはいろいろやっていたんです。飲食店のホールスタッフとか、ラーメン店で働いたこともありましたし。あとは、サーフィンやスノボをするときは、土工ですね。土曜日に日雇いで働いて、仕事が終わったらもらったお金を握りしめて車に乗って、夜中にスノボに出かけるという(笑)。学生のときはそんな感じでしたよ。

  ただ、僕がちょっと特殊だったのは、長期休暇のときは、父親の会社で現場仕事に入っていたんで、春休みも夏休みもなかったんですよ。だから、自由なのは長期休暇以外の週末だけだったんです。父親の会社でバイトをしていたときは、道路や河川の測量の仕事をしていました。

―そういったアルバイトから得たことで、今の仕事に活きていることはありますか?

  アルバイトって、客商売が多いじゃないですか。今は、客商売をしている方々が僕らのお客さんなので、客商売をする側の気持ちがよくわかるというのはありますね。ゆとり世代、さとり世代なんて今はよく言われていますけど、バイト経験がないという子が多くなってきているような気がするんですよ。社会人になると、お店を選んで予約をする場面もあると思うんですけど、そういうことがまったくできないという人もいるみたいですしね。お客さんのことがわからないから、仕事でお客さんと向き合っても、どんな問題点があるのか、どういう環境にするといいのかっていうことが理解できなかったりしますよね。そういうのは、社会人としては、結構大変なんじゃないかなって思います。

  僕は、大学卒業してすぐに起業して、みんなには「すごいね」って言われましたけど、僕自身は失敗だったって思っていますよ。それによって、よかったことはたくさんありますけど、企業に属したからこそ学べることもたくさんあったんじゃないかって。それから独立したほうが、視野が広がったんじゃないかと思いますね。父親の会社では働いていましたけど、やっぱり社長の息子という扱いをされていましたからね。

会社は利益を生み、継続していくことに意味がある

ジオベック望月雅彦社長

―大学生のときに就職という選択をしなかったのは、なぜでしょうか?

  じつは、当時、父親が病気で倒れてしまったんで、僕が会社に入ることはもう決まっていたんです。建設系の会社ですから、専門学校で測量士の資格を取らなければいけなくて。資格がないと、登録業者になれないんです。だから、ちょっと経歴が変則的なんですよ。高校卒業して専門学校に行ってから、大学に進学しました。

  大学に進んだことにも理由があって。父親は僕の祖父から会社を継ぐときに、大学を中退しているんです。それで、自分にコンプレックスがあると。体調が安定したときに、「大学は出られるもんなら、出たほうがいい」って言ってくれて。その時点で卒業後の進路は決まってしまっているんで、大学生活は“自分で選んで好きなことをできる最後の時間”という感じでしたね。後を継ぐと言うと周りからは「いいな」って言われることもありましたけど、夢がないですよね(笑)。でも、大学時代に好きなことができたので、それが今につながっているし。結果的にはよかったですけどね。

―ここまで続けてこられて、会社の転機とも言えるような出来事は何かありましたか?

  やっぱり、リーマン・ショックじゃないですかね。ちょうど、設立10年目のときだったんですけど……。8割くらいの仕事が一気になくなってしまいました。僕らの会社は、3年目から今の事業を始めていたんですけど、どこかで「失敗したら、父親の会社と合体したらええわ」って思っていたんです。ところが、リーマン・ショックのときに、父親の会社が倒産してしまって……。僕は連帯保証人になっていたので、自分の会社も大変な状況なのに、上乗せされたわけですよ。だけど、結果的に、違う事業に転換したおかげで、僕の会社は残ったんですよね。

―3年目に決断した選択は間違っていなかったということですね……。

  そうですね。うちの父親は人一倍いろんなことを言う人なんですけど、僕が建設の仕事とは別の仕事をすると決めたときも、経営について相談をしたときも、何も言わなかったんですよね。「なんで何も教えてくれんの?」って思いましたけど、今思うと、「大事なことだからこそ、自力で考えろ」というメッセージだったのかもしれませんね。父親からは、いまだに何も言われたことないですね。

―ジオベックには「儲創」という社是がありますよね。これにはどのような想いが込められているんでしょうか?

  僕は「会社はずっと継続させていくもの」という考えを持っています。そのためには、やっぱり安定した儲けがなければいけないと。松下幸之助さんの著書にあったんですよ。「儲」には信者という言葉が含まれている。お客様が本当に信じて疑わないような商品を作らんと儲からないと。それを読んで、「なるほど。お客様が信者(=ファン)になってもらえるようなサービスや会社を作らんと、儲からんねや」と思いました。まだまだ、できていませんけど……。そこから、儲けを創造する「儲創(ちょそう)」という言葉を社是として、当社のフィロソフィーの原点としたのです。「儲ける」って言葉は、あまりクリーンなイメージを連想しませんが、意味は本当に深く、あえて当社はこれを前面に出すことによってアイデンティティを高めようと思いました。

  将来のビジョンとしては、我々が提供する事業でライフスタイルを変えていくということを目指しているんです。今よりももっと快適な生活を送れるようなサービスをどんどん生み出していきたい……そう思っています。この会社は、もともと事業ありきで生まれた会社ではなくて、会社をつくってから事業を生み出している会社なので、そういう意味では、何をやってもいい会社なんですよね。いろんなものが生まれて展開されていく会社であったらいいなと思っています。それを僕の代だけじゃなくて、次の代に早いうちに継承して、会社のカラーが変わっていったらおもしろいなと。

遊びも仕事もすべて全力で!時間はいくらかかってもいい

ジオベック望月雅彦社長

―望月さんが働くうえで大切にしていることはありますか?

  やる以上は全力でやるっていうことですね。できないことがあっても、身につけていって、できるようにする。できないからやらないじゃなくて、やったほうがいいことであれば、できるようになろうって。時間をかけてでもやるという。そこが自分の中では一番重要だと思っていますね。

  つねに、こうあるべきだなって思うことに対しては、そうなろうと努力をするということを徹底してやっています。それは趣味でも同じで。全部本気なんです。仕事も遊びも。そういうこだわりでやってきたんで。全力でやっているからこそ、自分がこの事業からいつ引退するかもなんとなく決めているんです。次はカルチャーをつくっていくことに向かって行きたくて。文化形成に貢献したいなって思っています。

―最後に、仕事に対して不安や悩みのある人にメッセージをお願いします。

  さっき言ったことと重なりますけど、何に対しても好奇心を持って。アルバイトでもそうだし、スポーツでも娯楽でも。何でもやってみるといいと思います。僕は学生のころから、何でもチャレンジするようにしていました。「とりあえず、やってみよう」と始めたものが、今、活きているんですよ。例えば、テニスやゴルフなんかはわかりやすいですけど、スポーツや趣味を通じて、遠い存在だと思っていた人との距離が縮まるということもあります。

  いろんなことに興味を持って全力で取り組む人が増えてほしいですし、そういう人たちに事業をどんどんつくってもらえたら、将来の日本はもっと豊かになるんじゃないかなと思いますね。

[取材] 高橋秀明、渡辺千恵 [執筆] 渡辺千恵 [撮影(インタビュー写真)] 真田明日美

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