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彩りのある経験が、人生を生きやすくする
―考え方を限定せず何でも興味を持とう―

株式会社リブ 松本洋介
松本 洋介(まつもと  ようすけ)
株式会社リブ 代表取締役
株式会社リブズパートナーズ 代表取締役

2003年、明治大学卒業後、株式会社リクルートに入社。『タウンワーク』『ホットペッパー』の営業部門でMVPになるなど好成績を収め、新事業として『エルーカ』の創刊に携わる。2007年4月、トレンダーズ株式会社へ入社。最高執行責任者(COO)、取締役、営業取締役を歴任し、トレンダーズの上場を実現させる。2014年4月1日、株式会社LiB(本社最寄り:渋谷)を創業。代表取締役に就任し、現在に至る。

キャリア女性に限定した、日本初の転職マッチングサービス

株式会社リブ松本洋介さん

―リブ、およびリブズパートナーズの事業内容についてご説明をお願いいたします。

  リブは「LiBz CAREER」という、日本で初めてのユーザーをキャリア女性に限定した会員制転職マッチングプラットフォームを運営しています。基準としては過去到達年収が400万以上のキャリア層がメインターゲットで、結婚や出産などのライフイベントと仕事、どちらもあきらめず働き続けたいと考える女性が対象です。

  そういった女性ユーザーはもちろん、女性に活躍してほしいと願う企業人事や、ヘッドハンター・転職エージェントが集まるので、有能な女性を積極的にスカウトすることもできます。

  「LiBz CAREER」がオンライン上のプラットフォームであるのに対し、リブズパートナーズ(「LiBz PARTNERS」)はキャリアコンサルタントがユーザーと直接会ってお話を聞き、ふさわしい職種や企業をご案内する、リアルな転職機会を提供しています。

―ハイキャリア女性を対象にした日本初の取り組みとうかがっていますが、特に難しいと感じる点は何ですか?

  企業側とユーザー側の相互理解や、情報量に差があるということですね。企業側からすると、たとえば「うちのような男ばかりの業種に、女性がついてこられるのか」「女性なんてすぐ辞めるだろう」という考え方にとらわれて、女性採用を敬遠してしまったり。また女性側としても「私はいつまで働けるのだろう」「どうやって働いていけばいいのだろう」と、仕事をしたいけど続けられない、とあきらめかけてしまったり。企業側の希望と女性の気持ちの間に、大きな隔たりがあるんですよね。そこを埋めるのに苦労することはあります。

  でも、現在は“男女平等”という言葉を口にするのもはばかれるくらい、社会の意識は男女平等になってますよね。だから転職マーケットにおいても本当の意味で男女平等の世界が実現するのも時間の問題だと思うんです。女性と企業を結びつけ、女性が活き活きと仕事ができる事例をもっと増やしていけば、いずれ問題は解決すると信じています。

「誰にも縛られず、自由に生きたい」。一貫している人生哲学

自立が人生のテーマという松本洋介氏

―松本さんの学生時代についてお聞かせください。

  自分の生き方を表わすひとつのキーワードがあります。それが“自立”です。子どものころから人に考え方や行動を束縛されたり、逆に自分が人に依存するのが嫌でした。極端なこと言うと、家族とご飯行く時にも、どこ食べに行くかって親が決めちゃうじゃないですか。それも「早く自分で決めたいな」って思ってたくらいです。

  自分の人生を自由にコントロールできるようになりたかったので、早く働きたいと思っていました。もちろん、自由には責任が伴うことも理解していましたから、高校に入ってすぐアルバイトを始め、大学も、受験費も学費も生活費も、すべて自分で働いて稼ぐようにしていました。僕にとってはそれが自分らしい生き方で、精神衛生上よかったんですよね。

―どういったアルバイトをされていましたか?

  いろんなことをやりましたね。ガソリンスタンドや牛丼屋、カラオケの店員、居酒屋、引越し業者、テレアポ、イベントの運営……。1か所にとどまって働かない、と決めていたので、3か月おきくらいに次々にやりましたね。

  なかでもセブン‐イレブンは衝撃的でした。これなら誰でも店長ができるなと感じるほど、働く仕組みがしっかりしていたんです。ある種、雇用のインフラだなって思いましたね。こういったいろんな業界のビジネスの裏側が見られるのはすごく楽しかったし、本当にやっててよかったと思っています。

―しかし、それだけ働くと、学業との両立が難しそうですが……。

  そうですね、学業していなかったですよ(笑)。とにかく朝昼晩、ずっとバイトをして生活していましたから。でも気づいたら、自由を維持するために自由じゃなくなっている本末転倒な状態になっていて。もっと効率的に稼いで自立できるようになるにはどうしたらいいかって考えた時に選んだのが、仲間との起業の道でした。

真の意味での「起業」をするため就職活動

起業当時について語る松本洋介社長

―大学生で起業したのは自立するためだったのですね。具体的にはどういった事業をされたのですか?

  先輩が学生のデータベースのマネタイズみたいな事業を行っていたので、それを参考に大学生の個人情報のデータベースをつくり、そこにアルバイト情報を流したりとか、旅行の手配、お菓子の新商品のモニターを募集したりといった仕事を仲間と始めました。

―その事業を続けようとは思われなかったのでしょうか。

  なんとかがんばって目先のお金は稼いでいたものの、正直、会社や事業と呼べるレベルではなくて。でも、経営していくうちにいろいろ学ぶことがあったんです。読んでいた本も、始めは『会社のつくり方』みたいな内容のものを中心に読んでいたんですが、だんだん松下幸之助や本田宗一郎の言葉の本が机の上に並ぶようになり、会社や仕事の本当の意味を考えるようになったんです。

  世の中に雇用を生み、サービスをつくって、社員を幸せにし、事業を育てるという善が回っている世界と、自分がやっていることにものすごいギャップを感じて……自分がしている事業が本当に誇れる仕事なのか、全く自信がなかったんです。であれば、自分はまだ大学生だし、新卒として社会に学びに行こうと思いました。

―新卒ではリクルートに入社されますが、ここを選んだ理由は?

  就職活動で基準としたのは、ビジネスモデルを真似したいと思える企業ですね。特に、人一人ひとりが魅力的で組織が強く、伸びている会社がいいなと思いました。それで迷ったのがサイバーエージェントとリクルートで、最終的に同期におもしろい人が多かったのと、OBネットワークの強いリクルートを選びました。

―リクルートではどのようなお仕事をされていましたか?

  最初は営業でした。当時のリクルートはフリーペーパーモデルが盛況だったころなので、僕も『タウンワーク』、『ホットペッパー』と当時伸び盛りだった事業部で営業としての経験を積みました。ここで全国MVPを何度も受賞するなど、大きな結果を出せたことは今でも僕の自信となっています。

  そして4年目のタイミングで新規事業の立ち上げ部署へ異動となりました。それが『エルーカ』です。現在は女性のアンダーウェアの通販サイトとなっていますが、もともとはファッション系の来店促進メディアを創ろう!ということで、新宿エリアへショッピングに訪れる20代~30代の女性をターゲットにした『ヨリミチニュース』というメルマガを配信していたのが最初です。それを進化させてメディアとして立ち上げたのが『エルーカ』で、僕はその立ち上げに関わらせていただきました。

―なるほど。そこで、数多くの女性スタッフの方と接する機会があったということですね。4年後にはトレンダーズに転職されますが、どのような経緯があったのでしょう?

  営業から新規事業の立ち上げまで、一通り学ばせてもらったところでリクルートは辞めようと思っていました。じゃあ次はどうするのか?と言うと、別に「社長」みたいな立派な肩書きにはこだわりはなく、自分の意思決定によって事業をつくる立場であればよかったので、起業するのか、どこかの会社の経営メンバーに加わるのか……ぐらいにふわっと考えていて、でも、やはり「社長」という立場でいるのが一番わかりやすいだろうと考え直し、起業しようと思って動き始めたんです。

  でも、始め学生で起業した時、仲間や資金集めに本当に苦労したので、まずどうやってお金を集めようか悩んだんです。そして「ベンチャー企業の社長なら、気持ちをわかってくれるし、出資してくれるんじゃないか」と思い当たり、ベンチャーの社長を訪問して回りました。

   そのなかで、当時のトレンダーズの社長に「よかったらうちの経営に入って、会社を上場させてくれないか」とオファーをいただきまして。トレンダーズは女性マーケットに力を入れているし、その環境化でチャレンジできるっていうのはおもしろそうだったんです。それが転職を決めたきっかけですね。

仕事を得る機会は平等であるべき――価値観の変革期のなかで

松本洋介代表取締役、リブ創業期を振り返る

―2007年、トレンダーズに最高執行責任者(COO)として入社されますが、会社を上場させるためにどういった施策をとられたのですか?

  当時は社長が取ってきた仕事を、社員がなんとか形にしていくという個人事業主に近い状態でした。でも、当時のトレンダーズは組織の絆も弱く、ビジネスモデルも固まりきっていなかったため、いろんな意味でかなり不安定な状況だったんです。

  そこで、まずしっかりした営業部をつくることに決めて、どういう商品を売っていくか、どうやって売上げを伸ばしていくかなど、計画を一から練り直しましたね。

  とにかく目の前の目標を達成するのに精いっぱいでしたけれど、だんだんと営業部が立ち行くようになり、自分もGM、営業取締役と業績周りのことをすべてを任せられて。入社して5年後の2012年にようやく、東証マザーズへ上場をすることができました。

  無事、ミッションを達成することができたので一区切りついたしさあ起業しよう!って当初は話を進めるつもりだったのですが、実際にはそんなに甘くなくて(笑)。業績責任を担っている営業担当取締役が上場したらしたですぐに役員を辞めるなんて訳にはいかず、結局1.5年くらいは引き継ぎの時間をかけて退任を進めました。

―なるほど。そうして2014年4月にリブを創業されますが、良くも悪くもイメージと違ったことはありましたか?

  会社の立て直しからIPO(株式の配分)まで一通り学んでいましたし、創業から起こるであろう様々なことは事前に覚悟してから起業に踏み切ったので、生意気なことを言えばトラブルがあってもそのほとんどが想定通りでしたね。それに、一緒に集まってくれた仲間が素晴らしくて、立ち上がりとしては想定以上に順調でした。ただ、エンジニアの採用には本当に苦労しましたね。自分が営業キャリアなのでなかなかエンジニアが集まらず、思ったよりもずっと大変でした。

  それと僕はリブを立ち上げた当初からきちんと売上げも利益も意識する経営をしてきているのですが、世間ではちょうどベンチャーブームみたいのが盛り上がっていて、そのなかで「売上げや利益は気にせず、イノベーションを追求する」という風潮も少なからずあって。

  僕は経営者として、そのベンチャー論はあまりに軽々しくて無責任に聞こえたんですけど、その考え方をリブにも期待し求めてくる人が想像以上に多かった。その点で、売上げ・利益をきちんと見ながら経営したい僕にとってはスタンスの違いを理解してもらうのに苦労しましたね。

  今となってはきちんと事業数字(売上げ・利益)が伸びていることがリブの高い評価につながっているので、自分が信じた姿勢は間違ってなかったな、と思っています。

―起業するにあたり、「ハイキャリアの女性に特化した転職支援」というサービスに注目した理由は何ですか?

  僕は“仕事を得る機会は、みんな平等であるべき”と考えています。たとえば、大学受験の時「大阪出身の人は早稲田大学を受けちゃダメ」って言われたら、困りません?受験する機会は全員平等にあってしかるべきですよね。

  それと同じで女性としての制約があるから、という理由で仕事を選べないというのはおかしいんです。でも、女性が働くうえで立ちふさがるジェンダーの壁はそれほど大きなものなので、それをなんとか無くしたいなって思ったのが理由のひとつ。

  もうひとつ、勝算がありました。ジェンダーの壁はいずれ淘汰されていくものだから、その流れに乗っていれば間違いないと思ったんです。日本は労働人口がどんどん減っています。その労働力をどうするかといったら、潜在的に「働きたい」と思っている女性に働いてもらう、というのが一番効率的で、筋が通っていると思うんです。

  僕たちの世代って「旦那さんが大黒柱でお母さんは専業主婦」といういわゆるステレオタイプな家庭の価値観が刷り込まれている世代ですけど、僕たちの子ども世代になれば、もうそんな考え方はしていないはずですよね。今、我々はその価値観の変革期にいるわけです。将来のために働きかたのひとつのモデルになれたら、と思っていますね。

興味あることは何でもやって、経験値を積んでほしい

松本社長は仕事は“ゲーム”と話す

―松本さんが仕事をするうえで、譲れないポリシーはありますか?

  僕は、仕事は「社会性の強い“ゲーム”だと思っています。でも、あくまでゲームなので必要以上に重たく感じすぎてはいないんです。仕事は「利益を出す。人を雇う。サービスを継続させていく」……という明確なルールがあるゲームであって、そのルールのもと「やろう」と決めたのは自分だから、負けたら負けたで仕方がないんですよ。良くも悪くも全部自分のせいだと思っていますので、ある意味“自責の念”は強いと思いますが、そこは潔く考えるようにしています。

  仕事は、自己実現・社会参画をともなう大切な人生の一部でありながら、あくまでゲームであるということ。人生を崩すようなものではないですね。

―仕事や将来のことについて悩む若い人に、何かアドバイスはありますか?

  興味のあることは、何でもやってみるといいです。僕は学生の時ひたすらアルバイトをして本当によかったと心から思っているんですよ。たくさんの大人に会うことができたし、世の中にはいろんな人がいるんだなって思えたんです。

  これもゲームのルールと同じですけど、経験値はあればあるほどいい。人にとって経験は人生を彩る“色”と同じです。絵の具は混ぜすぎると黒くなりますが、人の経験という色は、混ぜれば混ぜるほど美しくなり、きれいになるんですよ。自分はクールな色が似合う、淡い色だけがいい……と限定せず、いろんな色を取り入れてほしいですね。そうすれば考え方に幅が出て、結果的に生きやすくなりますよ。

―松本さんが求める社員の人物像はありますか?

  知的好奇心が強く、根が明るい人がいいですね。今の子って何かあればすぐにへこんでしまう、打たれ弱い子が多いですけど、ちょっとしたことでは動じない、あっけらかんとしている子がいいなと思います。

  あと、「私はこうして生きていきたい」という、意思を持った子がいいですね。もちろん、「こうしたい」という目標は常に変わるものなのでその点は構わないのですが、その都度その都度、きちんと意思がある人が僕はすごく好きですね。

  ここに来る人は、自分の人生のためにがんばってほしいなと思っています。出世したい人、起業したい人、女性キャリアというテーマを極めたい人……目的はみんなバラバラかもしれませんが、「自分の人生を前に進ませる」という意思は全員共通しているんです。ここで自分の夢が叶うなら、じゃあみんなで一緒に叶えようぜって思いますね。

<株式会社リブ・株式会社リブズパートナーズ>
東京本社
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-12-16 アジアビル1階
JR渋谷駅より徒歩約10分

[取材]高橋秀明・真田明日美 [執筆・構成・撮影]真田明日美

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