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人生の節目にサプライズを!
―お客様の人生と共に歩める企業を目指して―

有限会社Anipla 田中彩子
田中 彩子(たなか あやこ)
有限会社Anipla 代表取締役社長

1984年生まれ東京都出身、東京家政大学卒業。2005年大学在学中に株式会社ドリコムにて開催されたビジネスプランコンテストにて現在のサービスを発表し優勝を果たす。2006年4月大学4年時に有限会社Aniplaを設立、現在にいたる。

※本文内の対象者の役職はすべて取材当初のものとなります。

2017.10.31 update/文章の読みやすさを改善しました。

Aniplaとは?

―Aniplaの事業内容を教えてください。

Aniplaは、カップル専門のアニバーサルプランニングを手掛ける記念日サプライズ会社です。誕生日や記念日などのサプライズ演出を行っています。

「ラブ&ピース&サプライズ」をモットーに、日本中の男性をロマンチスターにという目標を掲げて 2006年4月に有限会社Aniplaを設立しました。

現在は「リムジンプラン」「バルーン装飾プラン」「お姫様になれるプラン」の3つのプランを柱として、マジシャンや外国人シンガーを使ったプランなどもご用意しています。

「リムジンプラン」と一口に言っても、リムジンでシャンパンを飲むことができるプランや、バラを用意するプラン、車内にバルーン装飾をするプラン、映像を作成しリムジン内で流していただくプランなど、お客様のご要望に100%対応できるよう様々なプランをご用意しています。

現在は月間で100件弱の記念日の演出を手掛けています。1日平均3~4件、週末は7~8件のサプライズを行う時もあります。

大半が夕方から夜に行うので、毎日夜間の3~4時間はバタバタですね。

―ビジネスを思い付いたきっかけは何ですか?

元々、友人の誕生日や恋人との記念日をお祝いすることが多かったですし、誰かの幸せそうな顔を見ることが好きではありました。特に、恋愛物の映画やドラマ、アニメを見て「こんな風にされたら嬉しいな」と、憧れのシチュエーションを想像して楽しむこともあったのです。

そんな時、友人との何気ない会話の中で「……あれ?記念日って英語でなんて言うんだっけ?」と質問をしたことがありました。友人はすぐに「アニバーサリーだよ」と答えてくれました。

その単語の響きを聞いた時、「アニバーサリーか……じゃあ、記念日に何かしてあげたいとサプライズを考える時はアニバーサリーのプランニングをするって言うのかな……」と、急にひらめいたのです。

「自分が記念日にして欲しい演出を形にするビジネスってどうだろう……面白いんじゃないかな?」そんな風に感じたのです。これが、ビジネスモデルのベースになりました。

その後、大学3年生の時に株式会社ドリコムのビジネスプランコンテストでこのビジネスモデルを発表したところ、見事優勝することができました。そしてその翌年大学4年の4月に有限会社Aniplaを立ち上げたのです。

子供と触れ合うアルバイトに勤しんでいた学生時代

―大学のころはどのようなアルバイトをしていましたか?

アルバイトは短期間の仕事から長期間のものまで、いろいろと経験しました。寿司屋、カラオケ店、レジ打ちなどのアルバイトも経験しましたが、長く働いた仕事は、小学生に水泳を教える仕事と、区民センターで子供と一緒に遊ぶ指導員の仕事の2つです。

小学校のころから趣味で水泳を習っていたこともあり、子供達に水泳を教えるのはとても楽しい仕事でしたね。

区民センターでのアルバイトも同様でした。子供達と遊ぶのは体力が必要ではありましたが、それ以上に子供達の明るく活発な姿を見るのも楽しかったので、自分に合っていたバイトだったと思います。

学生起業家としてのスタート

―学生の内に起業したことで苦労したのはどのようなことですか?

社会の常識を何も身につけないままいきなり代表として起業してしまったので、何もかもが手さぐり状態でのスタートでした。

たとえば、仕事のメールを送る時も何という言葉から書きだすのか、ここは敬語なのか、尊敬語を使うべきなのか……そんな言葉遣いも全く分かっていませんでした。そもそも、まだ学生気分が抜けていなかったので仕事のメールにも関わらず顔文字を入れてしまったこともあります(笑)。

とにかく社会の常識を教えてくれる人が誰もいなかったので、それを自分で学ぶことがとても大変だったように思います。

―立ち上げから事業は順調でしたか?

立ち上げ時は友人と2人で始めたのですが、お互いにやりたいプランは全く違っていました。

私はカップル向けのプランを友人は家族や友人向けのプランをやりたいと考えていました。そのため、最初はターゲット層をしっかりと絞らず両方とも提案していくことにしたのです。

しかし、ターゲット層を絞らなかったことで、最初に制作をしたホームページはカップル向けのプランと家族や友人向けのプランが入り交ざってしまい、とても分かりにくいページになってしまいました。そのため、お客様にもご迷惑をおかけすることが多くそこは反省すべき点だと思います。

友人が結婚を機に抜けたタイミングで、ターゲット層をカップルに絞り、家族や友人向けのサービスは思い切って止めました。これが現在のサービスに繋がっています。

さらに、自分の未熟さゆえに「お客様から利益をいただくのが申し訳ない……」という葛藤もありました。

たとえば、代行会社から借りているリムジンも、設立当初は何度値段交渉をしても値下げに応じていただけなかったので、ほぼ定価の値段で借りていました。そのため、リムジンの代金にプラスして弊社のサービス料を載せた金額をお客様には請求していたのです。

「うちがいなければ、もっと安い金額でリムジンを借りられるんだよなあ……」と、不甲斐無い気持ちになることが多くありました。そもそも事業としてこのサービスを提供する意義を見出せない時もあり、数年はモヤモヤした想いを抱えていたように思います。

しかし、5年~6年ほど経験を積み実績を重ねたころから、状況は少しづつ変わっていきました。今ではリムジンも代行会社に弊社専属の担当がつくようになりましたし、値段もぐっと下げていただくことができました。リムジンの金額にプランニングをつけても、弊社の方が安くご提供できるようになったのです。ようやく利益をいただくレベルにまで達したと思っています。

社長業をこなしながらアルバイト!? 二足のわらじ生活

―起業をしてからアルバイトされたと聞きましたが本当ですか?

はい、本当です。ベビーシッターとマクドナルドでアルバイトをしました。ベビーシッターは、もともと大学に入学したころの希望でもあったので、できるうちにやっておきたいと思い、短期間だけやらせていただきました。

マクドナルドでのアルバイトは、私自身が勉強をしたかったからです。と言いますのも、大学生で起業をしたものの、学生時代は部活動にも所属したことがなかった私は人に指導をすることや、ミスをした時の叱り方が全く分からなかったのです。「同僚や部下とはどのように接したらいいのかな……」と、考えながら働くこともありました。

そんな時、たまたま入ったマクドナルドで何気なく見上げた先に「週2日、1日2時間からOK」というマクドナルドの求人ポスターが目に入ってきました。

ネットで調べたり本を読むことがあまり好きではなかったので、「実際に自分が雇われる側として上司との関係性を勉強した方が自分の理解も早いのではないだろうか……?」と思い、実際にアルバイトを始めることにしました。

―最も今の仕事に活かせているのはどんなことなのでしょう?

まだまだですが、マクドナルドの組織作りはとても素晴らしいので、Aniplaでも徐々に活かしていきたいと思います。

あとは、やはり実際に従業員の立場を経験したことで「こう言われたらやる気がでるな」「こう言われたら気分が悪いな」など、働く上で部下はどのように言われるとやる気が出るのか、逆に気分が悪くなるのかといった気持ちの部分を理解できるようになりました。

さらに、面接の内容や進め方、アルバイトスタッフの管理や教育など、全てのマニュアルが組織として完成されていたので、それには心から感心しました。どんなに忙しくても調理場は常に綺麗でしたし、製造過程も常に完璧でした。「これはマクドナルドが食べたくなる!」と、すっかりファンになってしまいましたね(笑)。

これらからのAniplaの展望とは

―今後どういった人と一緒に働きたいですか?

Aniplaという会社も業務内容も、まだ世間一般には全く浸透していませんし、文化としても確立していません。そのため、まずはプランナーと言う職業やAnipla自体を文化として確立させることが必要だと思っています。

そして、最も大切なことは、「プランナーになりたい!」と、志した人達がしっかりと働くことができるようになる環境を作ることです。そういった場所を作ることが今の私には求められているのだと思います。

特に、Aniplaはどんな演出であっても基本的に外部の業者に委託することはせず、全ての演出を自分達で行います。そのため、バルーンアート等の技術は1人1人が入社後に身につけているのです。私もこの仕事を始める前は何も経験がありませんでしたが、全て独学で学びました。

そのため、どちらかと言えば職人集団に近いと思っています。外部の業者に頼んだ方がこちらも手間が省けますし、クオリティも上がるのですが、どうしてもお客様が負担する金額は上がってしまいます。

「お客様に安価で可能な限り意向に沿ったプランニングをしてもらいたい」という想いがあってこそなので、自分達でできる範囲の技術で最大限の演出しようと心がけています。

この考えや業務の進め方にご賛同いただける方とは是非一緒に働きたいです。とにかく「プランナーになりたい!」という気持ちが最も大事だと考えているので、その意思がある人はぜひ弊社の門を叩いてください!

―プランナーという仕事の一番の魅力は何ですか?

やはり、お客様の記念日や人生に残る一瞬を演出し、ご満足いただけた時ですね。お客様の中には毎日、牛丼屋通いをして食費を節約し、やっとの思いで貯めた3万円を持って「恋人のサプライズに使って欲しい」といらっしゃる方もいますし、外国の方から日本旅行中にサプライズでプロポーズをしたいと依頼を受けることもあります。

そういったお客様1人1人の人生を演出することができるので、とても幸せな仕事だと感じます。

―将来のビジョンがあれば教えてください。

弊社は、私が経験したことのないイベントのプランニングはほとんど受けていません。その理由はとてもシンプルで、「経験をしていないから感情移入ができず、いい演出のプランが生まれない」と言う理由がとても大きいです。

自分が経験していく年齢に合わせて事業を大きくしていきたいと考えているので、近いところでは結婚や子供が生まれたら子供の誕生日のプランニングなどの事業を新たに作っていきたいと考えています。

実際に私も今年(2014年)結婚をしましたので、結婚に関するプランニングは今後考えていくかも知れません。また、今年30歳という節目の年なので、そういった節目の年をサプライズでお祝いするようなプランも素敵だと思います。

現在は20歳のお誕生日を大々的にお祝いしたいという方はいらっしゃいますが、30歳や40歳を記念に残るようにお祝いするのも素敵なんじゃないかな……と。

年齢を重ねる毎に新たなサービスを作っていき、最終的には葬式のプランニングをやりたいと考えています。葬式は人生最後の一大イベントだと思うのですが、大体流れが決まっていますし、値段も決して安い金額とは言えません。

ただ淡々と過ぎていく通常のお葬式ではなく、個人の好きな物をふんだんに使って和やかに送り出すような葬式があってもいいのではないか……今はまだ年齢が追い付いていないので漠然としたアイディアに過ぎませんが、そう思っています。何十年後になるかは分かりませんが、参入していきたいですね。

一度関わったお客様と、いつまでも共に歩んでいける……そんな企業でありたいです。

[取材/執筆/編集] 高橋秀明、白井美紗

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