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選択肢をたくさん持つと、可能性が広がってくる
―自由に生きる楽しさを大事にしよう―

ストリートアカデミー株式会社 窓岡順子
窓岡 順子(まどおか  じゅんこ)
ストリートアカデミー株式会社 執行役員(営業・広報・事業開発担当)

1980年生まれ。幼少期は関東、九州を転々として育つ。広島大学卒業。総合科学部外国語専攻で入学し、2002年3月卒業予定だったが、経営やマーケティングの勉強をしたい一心で自ら半年間卒業を延長し、同大学経済学部で学ぶ。同年9月卒業後、株式会社リクルート(現リクルートライフスタイル、現リクルートキャリア)に入社。営業、営業マネージャー、営業企画、人事教育などに従事し13年間在籍。2015年4月よりストリートアカデミー株式会社(本社最寄り駅:後楽園)へ入社。個人が主催するワークショップやセミナー、レッスンを受講者とマッチングさせる相互プラットフォームを運営する同社の執行役員として活躍。現在、講座掲載数3,500以上、累計受講者数28,000名を超える。

自分で考えて行動できる環境が、とても楽しい

ストリートアカデミー株式会社 執行役員 窓岡順子さん

ストリートアカデミーでは、ビジネススキルから料理・アートなどの趣味・習い事まで、様々なスキルを持つ人が自由に講座を開くことのできる「学び」のコミュニティサイトを運営しています。執行役員である窓岡さんは、どのようなお仕事をされているのですか?

  一言で言うと、サイト開発以外の仕事を担当しています。メインは法人事業の立ち上げですが、ほかにもサイトに登録してくださる先生・法人の開拓やそのフォロー、イベントの企画、地方の開拓、そして会社全体の広報・PRも担当領域です。

  私は仕事のスタンスとして、“自分がやるべきだと思うことはすべてやる“、“「できない」ではなく、やり方を考える。やるかやらないかは自分次第”ということを決めています。

  リクルート時代から、やるべきことは全部取り組む、そしてやりたい仕事は取りに行くのが仕事のスタンスになっているんです。

―仕事のやりがいは何ですか?

  今、すごく仕事が楽しいんですね。仕事の範囲が多岐にわたるので、やったことがない新しいことや苦手なことに直面することも多いのですが、自分で自由に考えて物事を決められる環境はとてもやりがいがあります

  代表の藤本(藤本崇[ふじもと たかし]氏/ストリートアカデミー株式会社CEO)はビジョンやコンセプトに沿わないこと以外は「ノー」とは言わないし「まずやってみないとわからない」と日ごろから言っているので、いろいろなことに対して思い切ってチャレンジできます。とてもありがたい環境です。

キャリアチェンジの決め手は、より厳しい道でワクワクできるか

ストリートアカデミー窓岡順子さんの転職について

―13年間務めたリクルートを辞めて、ストリートアカデミーに入社したきっかけは何ですか?

  1年ほど前、リクルート時代の元同僚と道でばったり会ったんです。当時のリクルートの仕事もやりがいがあって楽しかったんですが、30代半ばをむかえ、このままリクルートに長く務めるのか、転職をしてキャリアチェンジをするのか、年齢を考えたら2つの方向があって、どちらにするにしても決断のタイミングだなと漠然と思っていたころでした。

  その3日後くらいにその友人から「あなたにぴったりの仕事があるよ!」と紹介されたのが、ストリートアカデミーとの出会いでした。

―キャリアチェンジをする決め手は何だったのですか?

  転職をするなら、大事にしたいことが2つありました。今まで営業、人事、マネージャーの仕事などいろいろとやってきて、それらは主に“できないこと”がほとんど。目の前の「課題」をクリアする仕事だったんです。だから今度は、どちらかというと“自分が得意なこと”で貢献できる仕事がしたい、と。

  そして、次に働くところは大手企業ではなくコンパクトな組織か、友人と何か始める、とか、そんなことを漠然とを考えていました。なぜなら13年務めていたリクルートほど自分に合う組織はない、と思っていたからです。大手ながら自由さもあり、一緒に働く仲間の意識も高い会社ってほかにないだろうと。ですから同じような大手組織に転職という選択肢は、もともとありませんでした。

―“得意なことができる”・“コンパクトな組織”。この2つの条件がそろったということですか?

  そうですね。それと私は物事を決断する時、自分にとってより厳しい環境を選ぶようにしています。長い目で見た場合、13年在籍していて居心地がいいリクルートにいるよりも、スタートアップで不安定でもチャレンジすれば成長できる環境へ身を投じたほうが、自分のキャリアにプラスになる選択だと思ったんです。

  2015年4月にストリートアカデミー入社後、まずは法人事業の立ち上げとして営業を任されました。執行役員の話をいただいたのは入社後しばらくたってからです。

  執行役員の位置づけとしては、社長以下の“チームの代表”だと私は捉えています。代表の意向をチームにつないで形にしていくとか、よいチームをつくるとか、そういう役割ですね。

  チームは小さくても一人ひとりがプロフェッショナルなメンバーなので、権限がどうとか偉いとか、そういうことはありません。ただ対外的には責任は高まりますし、それが私にとってはよい緊張感になっています。

  サービスをよくし、事業を大きくしていくためには、当然よいチームをしっかりつくらなければなりません。そういったチームづくりという点で、リクルートで培っていた経験を評価していただいたんだと思っています。

―リクルート時代の経験が活きているのですね。

  27歳から組織のマネージャーをやっていたり、5年ほど法人営業を担当していた経験が役立っていますね。

  リクルートの社員教育方針として“背伸びをさせる”んです。自分のレベルより少し高い目標を掲げられ、それを達成しようとするのが当たり前の環境が好きでした。

  仕事や課題に対して「できる・できない」の判断で物事を考える方も多いと思いますが、リクルートの社風は、ゴールに対して「やる・やらない」で、やり方を考えればいいという思考が“当たり前“の習慣。だから、できないことに対してチャレンジし続けるのが、私のスタンスとして染みついています。

―リクルートで“当たり前”だった思考が、外に出ると当てはまらないこともあるのでは?

  あります(笑)。価値観なので、一人ひとり違って当然です。だから自分の価値観や思考は押し付けないようにしています。これは、失敗経験から学んだ教訓です。

組織づくりの失敗が、今の自分をつくった

リクルート時代について語る窓岡順子さん

―その失敗経験とは何ですか?

  27歳で組織のマネージャーを任されました。営業を3年やってすぐの任務で、マネジメントについて初心者でしたが、25名のメンバーをマネジメントしなければいけなくて。でも自分なりにがんばっていたつもりでした。

  そうしたら、ある時期から突然、メンバーが次々と退職していき、チームとして成り立たない状況になってしまったんです。

  問題が起きた時は何であれ、組織のマネージャーである自分に原因があります。それを否が応でも現実として突きつけられました。辞めた人やメンバーから評価される機会があったのですが、「自分のことしか考えてない」「マネジメントに向いていない」 と全否定されました……。

  この時、自分目線で設定した目標をメンバーにも強いていたのだとわかったんです。リクルートでの営業時代の経験から「自分ができることは、みんなもできるだろう」と、知らず知らずのうちに押しつけのマネジメントをしてしまっていたんですね。
  みんなも真面目に、必死に私についてこようとしてくれていたんですが、自分のやり方をそうして無意識のうちに押しつけてしまった結果、ひずみが生じて。そこに気づけなかったんです。

  この件で学びましたね。自分と相手は違いますし、価値観も人それぞれ。マネジメントに重要なのは、業績を上げることが最優先なのではなく“人を活かすこと”なんだと。いいチームをつくらないと業績も伸びないし、サービスの向上もできません。顧客満足度もあがらないというのを痛感しました。

  そこから業績ではなく、チームづくりに力を入れるように自分の思考が変わったんです。この経験は現在も教訓として強く意識しています。

“今”を大事にして、人生の選択をする

ストリートアカデミー窓岡順子さんの学生時代について

―学生時代にがんばっていたことは何ですか?

  中学時代はバスケットボール部、高校では弓道をしていました。ひとつのことにトコトンになるタイプで、部活にはひたすら没頭しました。引退したあとは頭を切り替えて、受験勉強に集中しました。

  大学時代を広島で過ごしていたんですが、アルバイトは今まで経験していないことをやってみようと考えて、いろいろと取り組みましたね。

  数多くやってみると、自分には向いていない仕事もわかってきます。私は単調な仕事におもしろさを感じないようで、スーパーのレジ打ちや結婚式の配膳など、マニュアル重視の仕事にはあまり興味が湧きませんでしたね(笑)。

  一番おもしろさを感じたのは飲食店の接客です。なかでも、自宅近くのレストランでの仕事は、アルバイトの人たちの勤務管理まで任せてもらえるようになって、楽しくて仕方がありませんでした。人と接して、自分の判断でベストな決断ができる環境が楽しかったんです。3年近く続きましたし、接客やマナー、人とのコミュニケーションの仕方も学びましたね。

―就職活動はされましたか?

  今思うと恥ずかしいですが(笑)、キャビンアテンダントになりたいという漠然とした夢はありました。外国語専攻だったので英語もがんばりましたね。就職活動も航空会社を受けましたが、途中で「向いてない」と方向転換したんです。

―それはなぜですか?

  アルバイト先の社長の影響ですね。自分の自由な発想で経営する姿を見て「将来は自分も独立して、好きなことをやりたい」と思うようになり、就職をしないで自分の視野を広げたくなったんです。

  社長になるならマーケティングを勉強したいと、今まで関心のなかったジャンルに目がいくようになりました。2002年3月の卒業を見送って、経済学部の授業を半年間自主的に受けるために9月まで大学に在籍したんです。

  そのころに奨学金の申請が通っていて、1年後にアメリカ留学も決まっていました。留学までのあいだ、資金を貯めようとアルバイト感覚で入ったのがリクルートだったんです。

  留学予定であることは採用担当者にも伝えて、最初は契約社員で入社しました。飲食店の情報誌の営業に配属されたのも幸運でした。将来社長になるために営業経験を積んでおきたかったことはもちろん、食への興味もありましたし、お給料をいただきながら仕事のスキルが身につく環境が本当にとても楽しかったんです。

―その後、アメリカ留学はされたんですか?

  仕事が楽しすぎて、土日祝日も仕事をしていたいほど夢中になっていました。「こんなに楽しいことをしてお給料をもらえるなんて、なんて幸せなんだろう」と。いっぽうで、「仕事が楽しくない、月曜日がつらい」と言っている人にも多く出会いました。

  それを聞いて、自分が今いる環境ってとても恵まれていて、大切にしないといけないのではと考えさせられました。留学は何歳になっても行けるから“今”を大事にしないと……と思ったんです。

  結局、苦労して合格した奨学金も断り、留学も辞めました。私の決断に、「もったいない!」と周りは驚いて反対する人の方が大半でしたが、決断した選択を後悔したくなかったのもあり、さらに仕事をがんばろうとスイッチが入りましたね。

仕事もプライベートも、“自由に生きる人”を増やしたい

Street academy窓岡順子さん

―仕事をするうえで大事にしていることは何ですか?

  “楽しく仕事をする”というのを前よりも意識していますね。ストリートアカデミーのビジョンである「まなびを自由に、当たり前に」のなかで、特に共感しているのが“自由”という言葉です。就職活動で、自由に生きたいという想いが芽生えたのがきっかけです。

  たとえば、高校を卒業して大学に進学したら就職活動をして、4月になったら会社に入社する……という、レールが日本にはあるように感じて。自分ではそういうレールって人生の選択肢を狭める“窮屈なこと”だと思うんです。住む場所も仕事も、本当は自分で自由に決めていいことなのに、それができない環境って嫌だなと。

  自分が一番心地いい環境を、自分で作っていくことが大事だと思っていて、それを見据えて日々の仕事をしています。ストリートアカデミーをきっかけに、そういう価値観と行動力を持った人がどんどん増えたらいいな、と。それを広めるには、まず自分がそれを目指し続ける必要があると思っています。

  “自由”の定義って人それぞれですが、私は“選択肢を持って自分で決めること”だと捉えていて、だからこそ選択肢をたくさん持てる自分でいたいんです。

  たとえば、リクルートでは成果を出し続けると表彰されます。すると、新たな情報が入ってきて、様々な人が声をかけてくれます。それによって今までとは違った景色が見えて、新しいチャンスが生まれてきます。

  どの道に進むのか、何を選ぶのか。自分が出した成果次第で選択肢が増えていく経験を思う存分、させていただいてきたことが私の今をつくっていると思います。すべては、これまで出会った人と環境のおかげです。

  選択肢がないのは、自分に人生の決定権がないに等しい。だから、選択肢があって自分で自由に決められるのは、人生において“幸せ”なことだと思うんです。

―これから窓岡さんが目指すビジョンは何ですか?

  仕事大好き人間に見られがちなんですが、人生において“幸せ”ってもちろん仕事を通じてだけではなく、友達や家族などのプライベートも含んだ総合的なものだと思うんですね。だから自由に選択肢を持つということは、仕事だけではない自分の生き方として、ずっと大事にしたいと考えています。

  私がリクルートで学んだマネジメントの大切さ、つまり“人を活かすこと”は、組織を育て、組織のなかの人を育てることに通じます。それって“家庭”という組織にも当てはまることです。

  特に“家庭”は世の中の人にとって一番身近な“組織”だと思うんです。楽しく幸せな家庭を築くなら、選択肢をたくさん持てる環境が理想です。そのために、まずは私自身がより多くの選択肢を持っているようにしたい。そのために常に目の前のことに120%一生懸命であり続けたい。
  地道ですが、それが結果的に自分が思い描く幸せな生き方につながり、自分の周りを幸せにする近道なのかなと。

  ストリートアカデミーに登録している先生やユーザーさんって、本当に活き活きしているんです。数ある人生の過ごし方から、自らが「教える」「学ぶ」を選択して参加されています。先生は自分の意思で各々の道を究めている方ばかりです。ストリートアカデミーとの出会いをきっかけに、性別や年齢関係なく“自由に生きる”人を増やすことが、この仕事を通して私が目指していることです。

―最後に、学校生活を経て、これから社会に出る学生に向けてメッセージをお願いします。

  壁にぶち当たる経験が多ければ多いほど、チャンスも自由も手に入る……と思っています。“自由”って取捨選択をして人生を決めること。自分の道は自分で決めようと意識するだけでも、自分の行動が変わります。

  たとえば、アルバイトを何となく選ぶのか、目的を持って選ぶのかによって、行動や発言、それによって周りの評価や出会う人も変わってくるんです。

  その選択が「間違っている・正しい」というのが大事なのではなく、しっかりと自分で決めているかが重要なんです。それさえ外さず、一生懸命生きていれば、周りがちゃんと見ているので、困った時に手を差し伸べてくれたり、新たな出会いに導いてくれたりします。そうやって、皆さんも自分の“自由な選択肢”を増やしてほしいですね。

<ストリートアカデミー株式会社>
〒112-0002 東京都文京区小石川1-4-1 住友不動産後楽園ビル18F
東京メトロ南北線 後楽園駅より徒歩すぐ
東京メトロ丸ノ内線 後楽園駅より徒歩5分
都営三田線・大江戸線 春日駅より徒歩すぐ

[取材・執筆・構成]yukiko(色彩総合プロデュース「スタイル プロモーション」代表) 
[撮影・編集] 真田明日美

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