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アジアで学び、世界へ飛び出せ!
―世界中からオファーが来るように自分を磨こう―

Framgia Vietnam CO.,LTD 藤本一成

今、急速に発展を続けている国・ベトナム。そこに拠点を置き、「ラボ型」オフショア開発を手がけている株式会社フランジア・ベトナムの代表取締役社長の藤本一成さんは、ベトナムの優秀な若手エンジニアを発掘・輩出してアジア、そして世界へイノベーションを起こすことを目標に邁進しています!

藤本一成(ふじもと  かずなり)
Framgia Vietnam CO.,LTD 代表取締役社長

1975年生まれ、東京都出身。2000年上智大学経済学部経営学科卒業後、安田火災海上保険株式会社(現:損害保険ジャパン日本興亜株式会社)に入社。外資系ソフトウェアベンダー、IT広告代理店を経て、中古車買い取り輸出の株式会社ランクスを創設。2010年ベトナムのハノイに移住後、ベトナムのIT企業社長就任。2012年に現フランジア・ホールディングス代表取締役社長の平井誠人(ひらい まこと)氏らとフランジアを共同設立。同ベトナム法人であるフランジア・ベトナム(Framgia Vietnam CO.,LTD)の代表取締役社長となり、現在に至る。

ますます発展するオフショア開発を、人材育成から手がける

―フランジア、およびフランジア・ベトナムの事業内容についてご説明をお願いします。

  フランジアグループではベトナムでのオフショア開発事業と、人材のコンサルティングや人材紹介事業をやっています。ベトナムでは特にオフショア開発ですね。

  オフショア開発とはシステムやソフトウェアの開発を、新興国などの人件費の安い海外に委託することです。通常オフショア開発は、ひとつのプロジェクトに人員数や開発期間、それにかかる費用といった要件定義をきっちりと見積りし、仕様書をつくって契約・受託します。いっぽう、弊社は「ラボ型」といって、弊社のベトナム人社員でお客様の専属チームをつくり、そのままお客様にお貸しする、というスタイルをとっています。派遣に近い形ですが、契約期間内なら弊社の社員250名のうち、お客様の開発環境に合ったブリッジSEやエンジニアを長期間アサインできるので、それによってサービスの運用と新規プロジェクトの開発を同時に行ったり、あるいはプロトタイプをどんどんつくったりといった、柔軟な対応ができるんです。

  お客様にとっては本当に自社の社員のような人間関係をつくれますし、そのベトナムチームメンバー内で知識やノウハウがたまっていきますから、彼らから新しいアイデアが生み出されたり、よりよいシステムが構築されたりします。そういうチームが海外にできるというのが、「ラボ型」の大きなメリットですね。

―ベトナムに拠点を置いた目的は何でしょうか。

  まずは、アジアマーケットを取りに行くためですね。世界の全人口は約72億人、そのうち半分の36億人がアジアに集中しています。しかも、これからどんどん成長し豊かになっていく地域。そういう成長しているマーケットの波に乗ってビジネスをするのは商売の王道だと思うんですよ。日本は内需が高齢化で成長が鈍化しているタイミングですぐとなりに急成長市場があるのはつくづく運が良いと思います。この運に感謝してアジア各国と協力してバブルにならないようにうまく市場を成長させていく努力をするべきです。

  アジアのなかでも、ベトナムは特に理数系の教育に力を入れていて、優秀な若手プログラマがそろっています。そしてその彼らのほとんどがプログラマやITエンジニアを目指しているんです。タイやインドネシアでは機械工学関係の仕事が人気ですが、ベトナムはタイやインドネシアに比べて製造業は発展していないので、機械工学よりも情報工学のほうが就職に有利なので、情報工学学部が人気が高いです。もちろんタイやインドネシアにも優秀なITエンジニアはいますが、質も量もベトナムのほうがいいと感じています。

―御社では、ベトナムで人材教育に携わっているとうかがいましたが。

  この仕事をしていて大事だし難しいと感じているのは、採用と教育です。そこで、ベトナムトップの理数系の総合大学であるハノイ工科大学と合弁の組織をつくり、IT学部のなかでも優秀な学生たちに日本語を教えています。もともとそれは日本のODAの一環で独立行政法人JICA(ジャイカ)が2006年から手がけていたHEDSPIというプロジェクトで、それに我々が協力していた形でしたが、2014年の夏にJICAのプロジェクトが期間満了で終わってしまったので、それを引き継いでいる形です。弊社CTOの本間(本間紀史[ほんま のりふみ]氏)が講師として、ITの現場で使われるIT日本語やRuby on Rails(Webアプリケーションフレームワーク)の授業を受け持っていますが、これが授業を取っていない学生も聴きに来るほどの人気授業となっています。

  このHEDSPIプロジェクトを卒業した日本語が話せるベトナム人エンジニアを日本企業に紹介する「ジョブフェア」という新卒採用イベントをハノイ工科大学と共催で毎年行っていたりします。ご興味ある人は是非ご連絡いただけると嬉しいです。

―ハノイの学生にとって、日本の企業で働くということのメリットは何でしょうか。

  やはり、第一に給料の高さがあげられます。ベトナムですとトップ大学の優秀な新卒でも、初任給は400~500ドルですから、日本の企業の給与額は魅力的です。それと、プロジェクトマネジメントや日本基準の厳しい品質管理ができる優秀なエンジニアは、日本のほうがベトナムよりはるかに多いので、彼らと一緒に仕事をしてスキルアップをはかりたいというのもあります。あとは、単純に日本に憧れているという子も多いですよ。ベトナムには翻訳された日本のゲームや漫画がたくさんあふれていますしテレビで日本のアニメもやっていますから、慣れ親しんでいる日本を見てみたい、と積極的に日本に来たがっていますね。

様々なバイトから、仕事をつくりあげる楽しさを知って起業を決意

―藤本さんの学生時代はどのようなものでしたか?

  高校2年終わりごろから1年間、オーストラリアへ交換留学に行かせていただきました。東京都から奨学金をいただき、素晴らしい経験をさせてもらいました。留学中の単位を日本の単位に変換してもらったので高3のセンター試験前に帰国してすぐに卒業。当然、大学の受験勉強なんてしていませんでしたし、そのまま自動的に浪人生となりました(笑)。

―学生時代は何かアルバイトは何かされていましたか?

  大学時代はいろいろしていましたが、変わったものだと、友人の紹介でPRIDE4(総合格闘技イベント)の際にヒクソン・グレイシーさん(ブラジリアン柔術家・総合格闘家)の付き人をやらせていただきました。ヒクソンさんが試合前に1ヶ月間長野県白馬の山小屋でトレーニングしていたのですが、その時にドライバーや通訳、取材の仕事が来たらその対応をしたりして、格闘技が好きなのですごく楽しかった(笑)。あと、サンデーモーニングというTV番組の学生コメンテーターとして隔週日曜日に生放送で出演するバイトもしていました。MCの人に話題を振られた時、学生の立場からの意見をコメントする、といったことです。それも友人からの紹介でしたね。

―大学卒業後はいろいろな経験をされていますが、就職は大手企業を選ばれてますね。

  いろんなバイトを経験していくなかで、自分で仕事をつくっていく楽しさを感じ、いずれは起業しようとぼんやりと考えていました。就職活動ではいろんな企業を受けましたが、その中でもOB訪問や面接官とパッションが合った安田火災に入ることに決めました。

  安田火災では自動車部に配属され、車のディーラーさんをまわり、車を購入されたお客様に、自社の自動車保険を紹介してもらえるようにディーラーさんの営業マンに企画や提案をする仕事をしていました。素晴らしい人たちと出会えたし、社会人の基礎を学ばせていただいたと感謝しています。

  その後、外資系IT企業やベンチャーキャピタルを経験しました。外資系IT企業では、大手メーカーさんを担当し、オフィスや工場でITを活用して価値を生み出している現場を多く見ることができたので、今につながっていることを考えると、ここでの経験は大きかったと思いますね。

純粋な情熱と、未来への希望に満ちあふれたベトナムにかける想い

―ベトナムに行くきっかけとなったことはなんでしょうか?

  長年、IT業界で働くなかで身につけたWEBマーケティングの知識で勝負ができる分野で起業しようと思い、中古車業界に目をつけ中古車を扱うランクスを立ち上げました。

  ランクスを起業した当時は円安だったこともあり、順調に成長しました。ただ、中古車ビジネスは景気と為替にすごく左右されるんです。特に2008年のリーマン・ショックの時は本当に危なかった。これをきっかけに、IT事業にもっと力を入れていこうと思い、エンジニアを雇おうと考えたところ、中国やベトナム、インドだと人件費もオフィス家賃も安いという情報を聞いてオフショア開発について調べ始めました。

  実際にベトナムの会社に仕事を発注することになるんですが、通訳を通してベトナムのエンジニアを日本からリモートでマネジメントするのは非常に難しいということがわかりました。なので、これはもう自分がプロジェクトをマネジメントしなきゃ進まないと思い、ビザを取ってベトナムに3ヶ月行きました。ベトナム人と机を並べて「ここはこういうデザインがいい」とか実際に絵や図を描いて伝えたら、急に仕事がうまく回るようになりました。この時に、「ラボ型開発」の仕組みを思いついたわけです。

  それから縁あってベトナムで仕事をすることになり、そこでベトナム人との関わり方や採用、教育方法などについて試行錯誤を繰り返しながら、情熱をもって自分たちのビジョンを共有し、チームをけん引していくことができればうまくいくこともわかりました。

―ご自身がベトナムに行って得た経験が、のちのフランジアの原点となったわけですね。実際にベトナム人の方と仕事をしてみて感じたことはありますか?

  ベトナムの人は、みんなすごく純粋ということですね。今でも初めてハノイの景色を見たときの事を覚えているんですが、町は汚いし、道に穴は開いてるし、ものすごいバイクの数とうるさいクラクションの音で、カオスなところだと思いました。でも同時に、急速に成長する前向きなエネルギーも感じましたね。みんないい顔をして、今日より明日がよくなる、ベトナムがもっと発展することを信じている。ちょうど、高度経済成長期の日本のようで、昔の日本人のような純粋さを彼らに感じました。

  だから、いずれ先進国となるために、彼らには仕事に対する責任感やプライドを持ってほしいと思っています。もらう対価が少ないからこの程度の仕事でいいや、ではなく、「ベトナム人ってこんなにカッコいいソースコードが書けるんだ!すごい!」と、世界中のエンジニアから言われるくらいになってほしいと思っています。

―フランジアを実際に起業されるまでのいきさつをお教えください。

  ベトナムで引き受けていた仕事は、もともとベトナムで自分の会社を作るためにテンポラリーにやっていたことでもありました。運よく次にやってくれる方が見つかったのでその方に引き継いだ後、偶然ハノイで再会した大学の友人でもある平井や、今ベトナムで一緒に働いているメンバーたちと一緒に2012年にフランジアを立ち上げました。

異文化のなかでどれだけ成長できるか。積極的に挑戦を!

(Framgia Vietnam CO.,LTD社内にて)

―フランジア・ベトナムの今後のビジョンや、やってみたいことがあればお聞かせください。

  フランジア・ベトナムは世界トップレベルの技術に強いエンジニア集団にしたいと思っています。オフショア開発は安さで勝負しているといずれ淘汰されてしまいます。すでに中国の人件費が高騰してチャイナプラスワンということで、2年くらい前から多くの日本のIT企業がベトナムに進出してきました。その結果、すでにベトナム人エンジニアの給料は結構上がっています。この流れはIT業界では同一スキル同一賃金のレベルまで止まらないと思うんですよ。だから生産性を上げていかなければならない。そのために、社員教育には力を入れていて、社内プログラミングコンテストや勉強会をしょっちゅう開催しています。そんななかで、フランジアが発掘し育てた優秀な人材がイノベーションを起こして、自分の国、あるいは日本を元気にしてくれたらいいなと思っています。

  また、まだインフラや教育が行き届いていない国や地域に多くの才能が眠っていると思うのです。うちの社員にも農家出身のエンジニアがたくさんいます。とても優秀です。彼らは運良く大学に入ってIT企業でエンジニアとして働いていますが、優秀なのにお金が無くてまともな教育を受けられない人がまだまだ世界中にはたくさんいます。

  だから、いち早く発展途上国の将来有望な人材を見つけて才能を開花させるということには、とてもチャンスが眠っていると思っています。彼らを日本企業やほかの国に紹介できたらすごくおもしろいでしょうね。もちろん、そのなかの一部の人材がフランジアに入り、一緒にイノベーションを起こしていくのもいいですね!

  あと、日本の企業が、海外の人をもっと積極的に採用して海外を身近に感じてくれたらいいなって思います。日本から海外に出るというような大げさなことではなく、もっとアジアをひとつのマーケットとして捉えてもらったらいいと思うんですよ。大阪に転勤させるようにハノイに人を転勤させ、福岡に支社を出すようにバンコクやハノイ、上海やデリーに支社つくるといったような。

―それでは、大学生や就活生に向けてメッセージをお願いします。

  アジアで学んだり、仕事するのを若いうちから経験するのはアリですよ!言語はそこまで大切じゃないんです。共通言語は英語ですが、お互いネイティブスピーカーじゃないし、簡単な言い回しでもきっちり意思疎通ができて信頼関係を築けて、プロジェクトを回し、期日を守る。そういうことのほうが大事ですから。どうやったら上手くいくのか試行錯誤することで成長につながりますしね。

  グローバル化が進めば、いろんな国の人やバックグラウンドの違う人とチームを組んでプロジェクトを進めていける人が、これからもっともっと求められます。そういう人は、日本はもちろんこと世界中からオファーが来ると思うんですよ。だから、若い人には今後世界どうなっていくのかをよーく考えてもらってですね、是非、海外での仕事に積極的にチャレンジして欲しいなって思ってます。

  これからはアジアの時代だってことを心から納得して、挑戦できる人。そんな優秀なインターン生、新卒、中途の方を弊社はいつでも待っています!

[取材]高橋秀明・真田明日美 [執筆・構成・撮影(インタビュー写真)]真田明日美

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